東急大井町線ファンサイト
形態別写真置場
形態差とか。(全て紹介できているわけではありません。)
車体の構造の変化など時代の先駆者だったことをうかがわせる試行錯誤が垣間見える他、登場から30年以上経過していることもあって内装は何度か更新されているため、かなりのバリエーションがあります。
全て実車調査の上で写真を撮影して掲載し、なるべく最新の写真を載せています。
「ここの装置はこういうものだ」とか、「ここの差異はこういう理由で生まれた」とか、「ここを紹介していない」とか、「ここは間違い」などの意見をお待ちしております(他力本願)
画像はクリックすると拡大表示されるように対応中です。
製造時からある違い(車外)
・側面処理
左:2次車(9603号) 右:3次車(9410号)
2次車と3次車を境に溶接からプレス加工に変わっており、側面の太帯とビード端の処理方法が違います。
また1次車のみ側面の灯具が従来の8500系などで使われて いた旧タイプが採用されています。
転落防止ホロの取り付け台座にも違いが見られますが、関連性は調査中です。
行き先表示器付近に見られるビード処理の違い。
左:2次車(9106号) 右:4次車(9114号)
左:2次車(9002F) 右:3次車(9013F)
1次車のみ側灯が旧タイプ。
左:1次車(9601号) 右:3次車(9613号)
左:1次車(9601号)
右上:2次車(9103号)
右下:3次車(9610号)
・台車
TS-1004型電動台車
左:2次車(9203号) 右:5次車(9215号)
空気バネ下の部分の溶接痕の形が9009Fと9010Fの間を境に変更されました。
これの改良型の台車を履いた1000系の導入時期とこちらの溶接痕の変更時期が近く、1000系の台車の溶接痕の見た目は変更後のものとほぼ同じであることから、このタイミングで9000系の台車にも工程・パーツなどに変更があったものと思われます。デハ9200・9600はこの台車。
左:(9403号) 右:(9410号)
デハ9400に見られるタイプ。向かって左側についていた装置がありません。
TS-1005型付随台車
左:(9005号) 右:(9010号)
現在はクハ9000・9100に見られるタイプ。運転台に近い方の台車にはコイル式の踏面清掃装置が付いていますがまだ撮影していません。
・制御装置
左:1次車(9401号) 右:3次車(9205号)
1次車のみVF-HR-107形、それ以降はVF-HR-112形を採用。107形は112形の試作的存在ですが音に大差があるわけでもなく、見た目の違いも銘板の位置と蓋の形状くらいだと思います。
・ワイパー
左:1次車(9001号) 右:2次車(9007号)
理由は不明ですが、1次車と2次車のTc9000の一部にはワイパーの取り付け向きが違うものがいます。
具体的には9001号、9004号、9005号、9006号の4両が画像左の形態で、落成時から現在に至るまで直っていません。
(9006号のみ一時的に戻ったことはあるようですが、すぐに元通りに戻ってしまいました。)
1000系や2000系にも画像左のようなワイパーの取り付け方をしたものはいないのである意味貴重かもしれません。
製造時からある違い(車内)
・座席下ヒーター穴
左:2次車(9604号) 中:3次車(9608号) 右:4次車(9614号)
1次車・2次車は縦穴と横穴が混在するデザインなのに対し、3次車以降は横穴のみに変化しています。その横穴も3次車では縦13列に対し4・5次車では縦15列に拡大されており、簡単に3次車を見分ける方法の一つです。
・空調吹き出し口
左:1次車(9601号) 右:2次車(9606号)
1次車のみが「スイープファン」、他編成が「ラインデリア」と呼ばれるものだそうです。
1次車のものの方が吹き出し口が広く、クーラー部分には広告の吸いつき防止と思しきゴツめのカバーが付いています。
・手すり/金具
左:1次車(9101号) 右:3次車(9110号)
通常は溶接によって留められているドア上の手すりも、1次車のみ金具で留まっています。
左:1次車(9601号) 右:2次車(9603号)
座席横の手すりにも違いがあり、1次車のみ直線的なものになっています。
・運転台
左:1次車(9601号) 右:2次車(9603号)
余談ですが、1次車とそれ以降では座席下の金具にも違いが見られました。1次車の方が角が立体的です。
・乗務員室窓抑え(客室側)
左:1次車(9001号) 右:4次車(9114号)
1次車のみ8000系のような太い抑え金具が使われています。東急ではかなり少なくなったタイプではないでしょうか。
左:1次車(9001号) 右:2次車(9105号)
1次車だけ運転台が革張りだそうです。贅沢。
・車内スピーカー
左:2次車(9103号) 右:5次車(9215号)
4次車以降はスピーカーの穴の形状が変更となり、右の形態になりました。
音質はおそらく変わらないと思います。
・ドアコック
左:1次車(9601号) 右:3次車(9612号)
1次車だけが左の形態です。めっっちゃ微妙に違います。
その横の非常ボタンの形状にも違いが見られます。
・非常ボタン
左:1次車(9601号) 右:2次車(9606号)
わかりにくいですが、微妙に形状に違いが見られます。これも1次車のみが左の形態です。
下部の赤いボタンの形状(これだけは次車問わずの差異のようです)、白い台座の有無、SOSシール近辺あたりの違いがわかりやすいでしょうか。
その他の違い(車内)
左:2次車(9603号) 右:3次車(9110号)
さて、間違い探しのお時間です()
といっても私も違いを全て知っているかというとそうではないと思います…。
左が木目調更新車、右が未更新車ですがその他にも色々手が加えられていて、画像内だけでもかなりの数の違いがあります。
・化粧板
左:木目(9103号) 中:マダラ桃(9609号) 右:OSB白(9106号)
左:OSB白(9106号) 右:OSB紅(9613号)
OSB柄はさらに3種類に分かれています。すべて柄が微妙に違う他に色が異なり、ここでは白、桃、紅色として紹介させていただきます。こちらは一般的(?)な2種。左側のものは白っぽい印象ですが、右側のものは濃いピンクのような印象です。(画像では伝わりにくくて申し訳ないです。)
左:OSB桃(9613号) 右(上):OSB紅 右(下):OSB桃(9613号)
OSB柄の中でも珍しい形態で、9013Fにのみ存在します。その正体はなんとシール。右側の画像の部分がシールの縁にあたる部分で、触ると少し段差があるのが感じられます。
似たような柄のものを選んで貼ったと思われますが、理由は不明です。現在は見られなくなった無地淡黄色のものとは違い、手触りは大して変わりません。
左:無地白(9615号) 右:無地淡黄(9413号)
柄の無いものも存在しますが、どちらもあまりポピュラーではありません。左のものは9014F以降の天井部のみに存在しています。右のものは9013Fに のみ存在し、ザラザラの感触が特徴的なシールタイプでしたが、のちにOSB桃へと変更されて形態ごと消滅しました。
こちらが大きく分けて3つの代表的な柄です。このページでは勝手ながら左のものを「木目柄」、中のものを「まだら柄」、右のものを「OSB柄」として扱わせていただきます。
上:マダラ淡黄 下:マダラ桃(9114号)
まだら柄の色は2種類に分かれています。2種類の色が混在する編成もよく存在しますが、どうしてこうなったかよくわかりません。もしや日焼け?
左:マダラ淡黄(つや消し) 右:OSB白(9106号)
まだら柄淡黄色にはつや消しタイプも存在します。現存するつや消しタイプの化粧板は木目柄を除けばこれが唯一となっており、今のところ9106号でのみ確認しています。
・床材
左:未更新(9102号) 右:更新(9603号)
補修痕が多く、見栄えの悪い編成も散見された床材にようやく更新が入りました。ドア前の滑り止めは無くなり、ざらっとした印象のものに変わりました。色も茶色から黒に変わっています。
最初の2編成はドアの注意喚起テープやドアステップの取り付けと同時施工で、9000系にしてはかなり力を入れている印象でしたが、案の定床を更新せずにドアステップを取り付ける編成も出てきています。